7.手術前後その3



手術当日はハイ状態でした。朝の9時からの手術だったのですが、準備は朝の6時半ぐらいからしなければなりません。
その日は親や、出勤前によってくれた妹も来てくれまして、私的には「別にいいのに〜」という感じでした。
周りが思う程、手術が恐いとは正直思ってません。
よく病院嫌いの人は、検査に行く事よりも、病名を告げられて手術になる事が恐くて、少々身体が悪くなろうと病院にいきませんよね?
甘い。甘いよ。最悪な状況になれば、手術してもらえるだけで有り難いんだから。
手術して治る内に治療しないと死んじゃいますよ〜。
でも私が唯一危ないかなと思ってたのは、麻酔の失敗に寄る植物人間化。親にも迷惑を掛けてしまいますからね。癌が治っても頭がそんな状態になったら目も当てられません。
前日に麻酔科の先生が来て色々説明してくれますが、100%安全とは言えませんし。
で、その事だけは覚悟してました。
で、手術前に麻酔を3回打つんですが、最初の麻酔は病室で打ちます。筋肉注射で痛いです。麻酔としては、少しぼ〜としてくる程度なんだそうですが。
しかしハイ状態でしたから、妹とくだらないギャグを言い合ったりしてて、全然効いて来ません。
そしたら看護士さんに「興奮しちゃダメでしょう!」と怒られてしまいました。


そんなこんなでストレッチャーに固定です。手術室行く為にストレッチャーに乗せられて、逃げないように止められてしまいます。
で、ドナドナのように運ばれて行ってしまうのです。
そしてドラマで良く見る、がーっと手術室に運ばれて行って、頭の上でビカンと光源がつくあの瞬間。あれです。ちょっと感動しました(バカ)。
ですが感動はここまで。
脊髄に麻酔を入れるのですが、お腹の患部が痛いので、「横になって背中を丸めて」と言われても動けません。が、そのまま脊髄にぶっとい注射を射されて「ギャー!!」という感じでした。痛かったですね〜。未だにあれをこえる痛みには出逢ってません。
その後は例の、吸い込む麻酔です。
これが最後に見る情景になるかも知れん、と大まじで思いつつ、私はそこで寝てしまいました。


起きたのはICUでした。身体中にドレインチューブとか、点滴が刺さってて、まったく身体が動かせません。
でもあまり痛く無かった。脊髄にはまだ麻酔が直に入ってましたし、点滴にも色々入ってたみたいで、腹を30センチ切られてもこんなもんか〜という感じ。
今の医療を受けられる身でホントよかった。
手術は7時間かかりました。立ちっぱなしで仕事するんですから、外科医は体力在るんですねえ〜。けっこう筋肉ついてるのなんでかな、と思ってた謎が解けました。
で、とりあえず転移していたのか聞いたら、一緒に削除したリンパ腺を顕微鏡で一つ一つ見て行くから3週間後に結果が判ると言われてしまいました。


でも本当に大変なのは術後でした。
いや、ICUは3日目には出られたのです。物凄く順調でしたんで。
でも一週間全く動きませんでした。………自主的に(笑)
飲食ははなから絶食状態で、胸に埋め込まれたままのカテーテルで高カロリー点滴を入れていましたし、手術後は尿管をつけていてトイレに行かなくてもいいんです。この二つがなくなると楽ですよ。文字どおり一日中寝たきりです。
でも本当はICUを出たその日当りから立って歩きなさいと言われます。
まだ身体中チューブぶっ射したままなのに。
でも歩かないと腸が癒着してしまうのです。腸閉塞の大変さは一緒に入院していた皆さんの実例を見てましたから、も、それだけにはなりたいくないと思ってました。
でもつい昨日まで80の体力と言われていたので、医者もしょうがないな〜と温く見守ってくれていた様です。でもさすがに1週間たって、強制的に「こんな人他にいません」と怒られて尿管取られちゃったんで、いいかげんにしぶしぶ起きました。
で、とりあえず体重を測りましたら、術後17キロ痩せていたんです。
まあ、術前はイレウスおこしててむくみも酷かったので(足など丸太の様でした)、その水分が一気に出た様です。ちょっと嬉しかったでした(笑)


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